経済小説についてのご質問に回答しました。
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【質問】
質問者:東大学部2年(文系)
件名:面白い経済小説について
質問内容:
来年の就活までまだ余裕があるのですが、働くことについてイメージが湧いていません。面白い経済小説があれば、教えて頂きたいです。
【回答1】
回答者:東大支部24卒メンター
日付:2023/9/15
タイトル:「ハゲタカ」「不毛地帯」
本文:
ご質問ありがとうございます。お二つご紹介したいと思います。
「ハゲタカ」は、バブル崩壊後日本の金融マンが主人公です。外資系バイアウト・ファンドのファンドマネージャー・鷲津政彦と三葉銀行のバンカー・芝野健夫の二人の対決が軸に物語が展開します。作中で描かれる企業にはモデルがあり、バブル崩壊後の日本経済がリアリティをもって描かれています。日本企業を買い漁る外資系ファンドを悪と断じず、放漫経営に溺れた日本企業に対する批判的描写が印象的です。三葉銀行は、三和銀行がモデルと言われています。三和銀行は、かつて大阪にあった都市銀行です(三和銀行|Wikipedia)。
「不毛地帯」は、高度経済成長期の商社マンが主人公です。近畿商事の壹岐正が航空機、自動車、石油といった事業で活躍する話です。壹岐正はただの商社マンではなく、陸軍士官学校を首席で卒業し、太平洋戦争時は大本営の作戦立案参謀だった元エリート軍人です。第1巻は、終戦時に満州にいた壹岐がシベリアに抑留されるところから始まります。近畿商事は伊藤忠商事、壹岐正は瀬島龍三がモデルと言われています。瀬島龍三は陸軍大学校首席、11年のシベリア抑留を経て、伊藤忠商事に入社し、最後は伊藤忠商事会長になりました(瀬島龍三|Wikipedia)。
どちらも純粋に小説として面白いのでおすすめです。
【回答2】
回答者:東大支部24卒メンター
日付:2023/9/16
タイトル:「男子の本懐」「ビリオンズ」「マネーボール」「ビックショート」
本文:
ご質問ありがとう! 小説に限らず、4作品ご紹介するよ〜
小説なら「男子の本懐(Amazon)」がおすすめ。
金解禁に政治生命を賭けた浜口雄幸と井上準之助の二人にスポットを当てた小説。中々ニッチなトピックだけど、金融政策の大転換を巡るドラマはアツかった!!経済学をちょっとでも勉強してて良かった、って思った。 NHKドラマにもなったらしい。作者の城山三郎の作品は明治〜昭和の偉人伝が多いから面白いよ! (浜口雄幸|Wikipedia、井上準之助|Wikipedia )
ドラマだったら「ビリオンズ(Netflix)」。
ヘッジファンドのドラマ。上にも出てきたハゲタカが好きなら、多分ハマると思う!
映画だと「マネーボール(Netflix)」。
(経済系か微妙だけど)MLBで、初めてデータ分析を使って選手のリクルーティングを行ったアスレチックスGMのビリービーンの話。新しいことを始めるときって中々理解されないから大変だよね (ちなみに、今アスレチックスはリーグ1弱いチーム泣)
あと「ビックショート(Amazon Prime)」も面白い!
リーマンショックの時に不動産バブルの崩壊に賭けたアウトロー達の話。市場と逆張りしてる途中の緊張感と最後の逆転劇がカッコ良い。
要チェックだよ👍
【回答3】
回答者:東大支部24卒メンター
日付:2023/9/16
タイトル:「官僚たちの夏」
本文:
ご質問ありがとうございます。上では民間企業が舞台の物語が多いので、官僚の物語もご紹介します。既出の「男子の本懐」と著者は同じです。
城山三郎「官僚たちの夏(Amazon)」がおすすめです。
舞台は高度経済成長期の日本。主人公・風越信吾は「国家の経済政策は政財界の思惑や利害に左右されてはならない」を信念に持ち、"ミスター・通産省"と言われる通産官僚です。当時の日本は、官僚主導と言われ、政官財が一体となって経済運営していたと言われます。外国人からは「日本株式会社(Japan Inc.)」、「世界でも最も成功した社会主義国」と呼ばれた時代の経済産業省が舞台です。風越信吾は佐橋滋(佐橋滋|Wikipedia)がモデルです。
経産省志望者はぜひ読んでください。
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執筆者と免責事項
書き手=東大支部24卒メンター
※記事は必ずしも特定組織の公式見解を示すものではありません。
※質問回答はメンターの個人的な見解です。
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