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官公庁・公的機関の就活について【業界サーベイ】

執筆者の写真: 情報調査部・エンカレ東大支部情報調査部・エンカレ東大支部

更新日:2023年10月25日

この業界研究ページでは、官公庁・公的機関についての基本的な就活情報をご紹介します。

より詳しい情報を知りたい方は官公庁・公的機関カテゴリのブログをご覧ください。




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<目次>

1. 業界について

2. プレーヤーの紹介

3. 選考対策

4. メンターの所感

5. エンカレ業界ブログ

6. お役立ちリンク集




1. 業界について

官公庁は、国の役所と地方公共団体の役所の総称です。公的機関は国会、裁判所、中央銀行、独立行政法人なども含みます。公益という軸が強い業界です。東京大学は「帝国大学ハ国家ノ須要ニ応スル学術技芸ヲ教授シ及其蘊奥ヲ攻究スルヲ以テ目的トス(帝国大学令)」とされた帝国大学時代から官僚を多く輩出しており、中央省庁に行く東大生は伝統的に多いです。


2. プレーヤーのご紹介(一部)


2.1. 中央省庁


内閣府

内閣府は、内閣及び内閣総理大臣の主導による国政運営を実現するため、内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化を目指して平成13年(2001年)に設置された内閣総理大臣を長とする内閣の機関です。行政事務を分担管理している各省より一段高い立場から、国政上の重要な政策について企画立案・総合調整等を行っています。(出典:総合職採用案内2023


総務省

国家全体、津々浦々における生活の基盤となる諸制度を所掌し、国を支えるあらゆる省庁の中で、とりわけ幅広い行政機能を担っている。その所掌範囲は、国の基本的な行政制度の管理・運営から地方自治制度の企画、消防・防災への対応や、情報通信技術(ICT)を活用した様々な政策の推進まで、多岐にわたっています。(出典:総務省2022年度業務案内


法務省

法務省のミッションそれは、「国民が安全・安心に暮らせる公正・公平な社会の実現」です。このミッションを果たすため、国民が社会生活を営む上で必要な基本的なルールを定めるとともに、一人一人の権利の実現を助けるための登記制度の運用や人権擁護活動、犯罪や非行をした人たちの処遇とその社会復帰の援助、再犯防止に対する取組など、法務行政は、様々な分野において、数多くの重要な役割を担っています。(出典:法務省総合職入省案内 2023


外務省

私たちが今、当たり前のように得ている平和や安全や豊かさは、 世界の国々 ・地域との安定した関係なしには成り立ちません。 外務省は、日本と、そして世界の平和と安全と繁栄を実現するた めに、世界に広がる在外公館のネットワークを通じて様々な外 交活動に取り組んでいます。(出典:外務省パンフレット


財務省

財務省は、国の資金の流れという観点から、国家のあらゆる分野について重 要な動きに関わっています。財務省は、多様な政策ツールを有しており、また カウンターパートも多岐にわたります。政策ツールは、「財政政策」、「マーケット関連政策」、「国際関連政策」の3つに分類することができます。第1部で は、政策立案の最前線で活躍する職員が、業務内容をご紹介します。(出典:財務省総合職入省案内2022


文部科学省

日本の最大の資産は「人」だと思っています。そして、その人づくりを担っているのが文部科学省です。教育科学技術・学術 、スポーツ、文化芸術いずれにおいても「人」の資質を開花させ、品格を高めることが重要です。他方、これらは一朝一夕には成せないので、そう考えると、文部科学省は他の省庁に比べて「今どうするか」だけではなく 「明日への投資をどうするか」を真剣に考えなければいけない、いわば“未来省”という役割を担っています。(出典:MEXT 2024


厚生労働省

厚生労働省の政策はすべてのライフステージに関わります。 課題多きこの国で、将来に渡って、一人ひとりの毎日の暮らしを支え、幸せを実現するために。 あなたが挑戦したいことを見つけてください。(出典:厚生労働省採用特設サイト


農林水産省

わたしたち農林水産省は、生命を支える「食」と安心して暮らせる「環境」を未来の子どもたちに継承していくことを使命として、常に国民の期待を正面から受けとめ時代の変化を見通して政策を提案しその実現に向けて全力で行動します。(出典:農林水産省入省案内2023


経済産業省

経済産業省は「国富の拡大」をミッションとする唯一の中央省庁である。あらゆる課題を「自分事」として捉え、産業の力を活用することで世界と日本の課題を解決し、経済的豊かさ・経済力の獲得を通じて、未来の日本を豊かにする使命を背負っている。(出典:流れを、変える 流れを、創る


国土交通省

日本の未来を切り拓く。それは言葉で言うほど容易ではない。 霞が関から現場まで職員一人ひとりがつながり、国の将来ビジョンを共有しながら チーム力で政策課題に立ち向かおう。安心安全な国土や人と人の結びつきという社会基盤を築き上げ、次世代に譲り渡すこと。ダイナミックなインフラによって歴史を紡いでいくこと。 革新的アイディアで社会をより良くする政策を描き、形にしていくこと。 それこそが、我々の使命である。(出典:国土交通省採用サイト


環境省

今日の環境問題は、国民の日常生活や通常の事業活動から生ずる過大な環境負荷が原因となっており、その解決には、大量生産・大量消費・大量廃棄型の現代社会の在り方そのものを持続可能なものへと変革していかなければなりません。 こうした変革を具体化するため、環境省は、 (1)廃棄物対策、公害規制、自然環境保全、野生動植物保護などを自ら一元的に実施するとともに、 (2)地球温暖化、オゾン層保護、リサイクル、化学物質、海洋汚染防止、森林・緑地・河川・湖沼の保全、環境影響評価、放射性物質の監視測定などの対策を他の府省と共同して行い、 (3)環境基本計画などを通じ政府全体の環境政策を積極的にリードしています。(出典:環境省のご案内



防衛省

安全保障。 その在り方に唯一の正解はなく、 国の歴史、社会、文化によって様々だ。 「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つ」 防衛省のミッションは、シンプルなようで奥深い。 あらゆる叡智を結集し、ときに泥臭く、人間臭く、 防衛省はこの難問に正面から取り組んでいく。(出典:防衛省総合職入省案内


順番はいわゆる建制順。

※以上の文章を変更されたい人事担当者の方はお問い合わせよりご連絡ください。


2.2. 公的機関


日本銀行

 日本銀行は、わが国で唯一の中央銀行です。日本銀行には、「物価の安定」と「金融システムの安定」という2つの目的がありますが、これらは、日々の経済活動が円滑に行われるために必要不可欠なものです。日本銀行は、全ての国民の大切な生活基盤を形作る役割を果たしています。(出典:日本銀行採用2024


日本貿易振興機構(JETRO)

ジェトロは貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することを目指しています。 70カ所を超える海外事務所ならびに本部(東京)、大阪本部、アジア経済研究所および国内事務所をあわせ約50の国内拠点から成る国内外ネットワークをフルに活用し、対日投資の促進、農林水産物・食品の輸出や中堅・中小企業等の海外展開支援に機動的かつ効率的に取り組むとともに、調査や研究を通じ我が国企業活動や通商政策に貢献します。(出典:ジェトロについて


国際協力機構(JICA)

独立行政法人国際協力機構(JICA/ジャイカ)は、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っています。(出典:JICAについて


日本政策投資銀行(DBJ)

金融フロンティアの弛まぬ開拓を通じて、お客様及び社会の 課題を解決し、日本と世界の持続的発展を実現します。産業・インフラ分野のプロフェッショナルとして、幅広いリスク 対応能力を発揮して、事業や市場の創造をリードすると共 に、危機対応など社会的な要請に的確に応え、2030年の 経済・社会において独自の役割を果たします。(出典:第五次中期経営計画


※以上の文章を変更されたい人事担当者の方はお問い合わせよりご連絡ください。



3. 選考対策

国家公務員、キャリア官僚志望者を想定して、官庁について取り上げます。


3.1. 全体スケジュール

夏(7月~9月頃):インターン

10-11月:教養区分試験

4-6月:専門区分試験(法律、経済、政治・国際など) 

6月下旬−7月上旬:官庁訪問(5月下旬に技術職で一部官庁訪問)

通年:政策ワークショップ、説明会、座談会


※公務員試験については「公務員試験について 令和5年度経済産業省入省 総合職内定者BOOK別冊」が詳しい(かったのだがリンク切れ)


3.2. 教養区分<一次試験>

◎1部(知能)2時間

選考について

・文章理解(英語・国語)×8問

・判断推理・数的推理・資料理解×16問


対策について

・判断推理・数的推理では、センター試験などと違い、柔軟な発想が必要になる問題等が出されるため、要対策。パターンを知るのも大事

・1部の方が2部よりも配点割合が高いため、こちらで点数を固められると良い

・数的処理は時間が足りなくなる人が多いため、過去問を用いた演習が必要


◎2部(知識)1時間半

選考について

・自然×10問・人文×10問・社会×10問(物化生地、世界史・日本史・地理・思想、憲法、時事など範囲は広い)


対策について

・思想(倫理っぽいやつ)は他より範囲が狭くて対策しやすいと言われている

・大学入試で使った科目を中心に勉強すると効率的(全部を完璧にするのは不可能)

・数学(IA, IIB)が出ることもあるので、思い出しておくのもアリ

・新聞などで時事をチェック。「公務員試験 速攻の時事」という参考書がおすすめ!


◎総合論文

選考について

・4時間で小論文を2つ作成する。参考資料あり。


対策について

・約2,000弱の小論文を書く練習をする。書き慣れていない人は練習しておこう。「総論→課題とその要因→具体的な政策」などのように書く時の型を持っておくといい。


3.3. 教養区分<二次試験>

◎グループディスカッション

選考について

・準備・レジュメ作成(20分)→個人の意見発表(4-5分)→ディスカッション(45分)→振り返り個人発表(4-5分) 約1時間30分

※変更の可能性あり。評価はA~EでEを取ると足切り


対策について

・短い時間で資料を読み、わかりやすくまとめる練習をする

・実際に模擬ディスカッションを学生同士で行う

・レジュメをもとに時間内で意見発表を行う練習をする


◎プレゼン

選考について

・2021年度までは小論文→プレゼンだったが、2022年度よりプレゼンテーションシートを作成


対策について

・例年通りであれば、事前にテーマと対象白書が提示されるため、とにかく読み込んで予測される問題や自分の考えをあらかじめ複数考えておく

・実際に学生同士の議論などで、アイディアの幅を広げておく

・人に自分の書いたものを読んでもらう

◎人物面接

選考について

・人事院の試験官1名・各省からの応援試験官2名で20分程度(例年)

・評価はA~EでEを取ると足切り。

・事前に面接シートを作成してそれに沿った質問をされる

(学業面で励んだこと・学生生活で頑張ったこと・その他趣味関心など・志望理由・志望省庁など)


 対策について

・面接カードを添削してもらう

・一般的な民間企業の面接対策をしておく

・志望官庁について掘られるかは人によるが、掘られても問題ないようにしておく

・さまざまな行動の動機・結果を今後どう活かすかは聞かれることが多いらしい


◎英語について

選考について

・TOEFL、TOEIC、IELTS、英検のスコア/級に応じて、15点または25点加算


3.4. 専門区分<一次試験>


◎基礎能力試験

選考について

・「文章理解」「数的推理」「社会科学」「人文科学」「自然科学」などから出題

・40問を3時間で回答

・基本的に教養区分の択一試験対策と同じ


◎専門試験(択一式)

選考について

・各区分の専門科目について出題(法律区分であれば、「憲法」「民法」「行政法」など)

・40問を3時間半で回答

・あらかじめ選択科目をどれにするか絞っておく


3.5. 専門区分<二次試験>


◎専門試験(記述式)

選考について

・各区分の専門科目に関する論文と、政策課題に関する論文をそれぞれ作成


◎人物試験

・人事院の試験官1名・各省からの応援試験官2名で20分程度(例年)

・評価はA~EでEを取ると足切り。

・事前に面接シートを作成してそれに沿った質問をされる

(学業面で励んだこと・学生生活で頑張ったこと・その他趣味関心など・志望理由・志望省庁など)


対策について

・面接カードを添削してもらう

・一般的な民間企業の面接対策をしておく

・志望官庁について掘られるかは人によるが、掘られても問題ないようにしておく

・さまざまな行動の動機・結果をどのように今後いかすかは聞かれることが多いらしい


◎英語について

選考について

・TOEFL、TOEIC、IELTS、英検のスコア/級に応じて、15点または25点加算


3.6. 官庁訪問

選考について

志望する省庁を訪問し、各省庁の職員から業務説明や面接を受ける

詳しくは人事院の官庁訪問ガイドを読もう(例:2023年度版 官庁訪問ガイド 総合職試験(春試験)PDF|人事院

また各省庁の情報については内定者ブックに記載されているものが大いに参考になる(エンカレブログ「【官僚志望必見】1府11省のパンフレット集めたよ〜 」)


対策について

・本やニュースを読む

・志望者同士での勉強会(GDや集団面接がある省庁も)

・白書を読み込む

・とにかく説明会などに行って人事に顔を売る

・身上書(ES)をブラッシュアップする

・自分の考えを言語化しておく

・面接の練習(予期せぬ質問へ対応できるようにしておく)

・関心のある政策分野を2〜3個用意しておく

・待ち時間が長くなりやすいので、軽食やリラックスできるものを持っていくのがオススメ!

・最前線で働く職員さんと政策の話ができる貴重な機会。とにかく楽しむ!


4. メンターの所感

国家公務員、キャリア官僚志望者を想定して、官庁について取り上げます。


4.1. 持っていた就活の軸

・漠然と国際性のある場所で働きたいなと思っていた(省庁や企業を見る上でも個人的には意識していた部分だった)

・日本の経済的なプレゼンスの向上に貢献できる仕事

・面白い人と働ける環境

・幅広い分野に関する知見の拡大と専門性の追求を両立できる仕事

・法律のアプローチからより平和で安定した世の中を作りたい

・安全・安心な環境で人々が生き生きと暮らせる社会を作る


4.2. この業界に決めたきっかけ

・別の内定先で働いている自分が想像できなかった(公益を1番に考えてしまう自分がいたので、周りと考え方のギャップが少ないのは省庁だと思った)

・生涯誇りを持って続けられそうな仕事だと思ったから

・自分の専攻分野について、研究以外の立場から関われる仕事だと感じたから

・ファーストキャリアで国家公務員の方が、中途で省庁で働くよりも想像しやすかったから

・国の政策・方針を決めていく仕事は省庁ならではだろうと考えたから

・ある省の説明会に行ったところ、自分の興味分野以外の話にもワクワクしたし感動したから

・最後のセーフティネットとしてお金のない人も支援できること、制度など基盤を変えることを通して現場で働く活動主体を支援できること


4.3. できること(主な仕事)

・法案作成

・予算案作成

・指揮、監督、許認可

・政策の企画

・人事


4.4. 長期的キャリアをどう考えているか?

・今のところはそのまま長く働きたいと考えている

・自分のその時々のやりたいことができるならそのまま働くけれど、転職ももちろん選択肢に入れている(すぐ辞めるとかは考えていない)

・留学はしたいな、くらいしか考えていない

・若いうちはさまざまな部局の仕事を幅広く経験し、その中で特に自分の専門とする分野を見つけていきたい

・幅広い分野の経験を積みながら長く働きたい

・健康第一で転職も必要であればする


4.5. 就活を通じて感じたこと

・官庁訪問で、思ったよりも気さくで寄り添って話を聞いてくれる人が多かった

・「官僚=真面目、堅い」というイメージがあったけど、実際に職員の方々と話すと、仕事ができそうかつ話しやすい、面白い人が多かった

・思ったより自由だった、働き方や服装など。

・省ごとの色はありつつ、その色の中で多様な雰囲気の職員さんがいた

・学生の意見でも真剣に受け止めてフィードバックしてくれる職員の方が多かった


5. エンカレ業界ブログ


【ピックアップ記事】





6. お役立ちリンク集




NHK「霞ヶ関のリアル」(不祥事などで繰り返し話題になる霞が関の官僚。だがテレビの国会中継などから見えるその姿は、いわば氷山の一角だ。日本の国作りを支えてきた官僚は、いま何を思い、この国をどこに導こうとしているのか。平成から令和へ。霞が関、官僚のリアルを徹底取材する。)


東大新聞「官僚」(官僚タグページ)



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執筆者と免責事項

書き手=東大支部24卒メンター

※記事は必ずしも特定組織の公式見解を示すものではありません。

※メンターの個人的な見解も含まれます。

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